スマホとぞうきん16


sumaho&zoukinmini

配信サイトの担当者とのやり取りの中で、自作の音源だけでDJ MIXを作ろうというアイデアが立ち上がった。ヒップホップのミクステ文化を参照し、例えばKOHHの「YELLOW T△PE」シリーズのように、DJまほうつかい自作あるいは参加音源のみを使い、収録時間はCDRめいっぱいまで、アルバムよりも格段に曲数の多いショウケース的な内容にしようと考えた。

さっそく試みたのは、ソロピアノとは異なるプロジェクト「Metaltronica」を中心としたMIXTAPE。MetaltronicaとはMetal+Electronicaの意味で、へヴィメタルの構造を用いてエレクトロニカの音を鳴らすプロジェクト。メタルマナーに従ってブラストビートやツーバスを踏んだりするが、生ドラムではなく、軽いアナログシンセの音で再現される。2011年にリリースした蓮沼執太、ジョセフ・ナッシング、芳川よしの、三者によるリミックスを含む全8曲の3rdアルバム『Metaltornica』以来まとまった形ではMetaltornica音源を発表していないが、趣味として日々音源を制作し続けており、カバー曲を含め膨大な曲のストックがある。

(アルバム発売時のインタビュー

DJセットを持っていないので、使用機材はスマホアプリのEDJing。このアプリで作ったMIXはエフェクトやスクラッチを含めWAVでリアルタイム録音、保存することができる。ただ最近、他のアプリを入れすぎて、うまく作動しないことがある。ぶっつけ本番でMIXし、保存された60分近いMIXを再生したみたら、アプリの不具合で冒頭部分と後半にブチブチと音飛びが発生していた。

同アプリで再MIXを試してみたが、何度試しても音飛びが発生してしまうので諦めた。結果的には失敗だが、繰り返し聴くうちにアナログレコードのスクラッチノイズのようにも聞こえ、このラフさ、ワイルドさは、ヒップホップ的な意味で「リアル」だなと感じ、愛おしくなった。

それがこれ↓