スマホとぞうきん17


sumaho&zoukinmini

単行本や文庫の装丁画を手がけることが多い。文庫や新書、マンガなどの書籍のサイズには定型があり、ワイド版と呼ばれる大きめなマンガ単行本でも210×148ミリ(A5版)、装丁としてこれまでに手がけた一番大きなものは8月に刊行した自作の画集&設定資料集だが、それでも257×182ミリ(B5版)という定型サイズだ。

CDのパッケージを担当することもあるが、120×120ミリというCD盤自体のサイズは変わらないから、プラスチックケースかデジパックか紙ジャケかという小さな違いはあれどやはり小さい。K-POPなどでよく見かける不定形サイズの豪華な特装版も手がけたことはない。

先日、作詞&作曲およびパッケージを手がけている「ひめとまほう」(DJまほうつかい+姫乃たま)というユニットの主催イベントがあり、ライブの終盤、いわゆるアイドル的な「重大発表」として新譜発売の告知をすることになった。ステージ上でCDサイズの見本盤を掲げても目立たないから、客席からもよく見えるように、LPジャケットのサイズでニューシングルのダミーを作ることにした。

LPジャケットの定型313×315ミリには、プリント用紙としてはかなり大きめなA3サイズ(297×420ミリ)一枚でも足りず、ハサミとのりを使ってA3二枚を張り合わせる形で、ダミーのレコード盤は完成。印刷物として今まで手がけたことのない未体験の大きさに静かに興奮。部屋の隅に飾っても見栄えがするし、持ち歩いてもアイコン的に機能してくれる。音質や内容に関わらず、アナログレコードは印刷物として魅力的なのだと改めて実感した。