スマホとぞうきん20


sumaho&zoukinmini

最近の趣味はアナログレコードを自作すること。作るといっても「外側」だけ。まず中古屋のセール棚にあるレコードを購入し、それとは無関係に自分の音楽のジャケットをデザイン。それをプリントアウトし、中古レコードの紙ジャケットに貼りあわせると、外側だけのレコードが完成する。ビニール袋に入れるとさらに本物らしく見える。

ハウスやテクノのような匿名性の高いレコードを作るときは、黒くて無地で無機質な外ジャケットはいじらず、レコードの盤面のラベルの部分だけを加工する。直径9センチほどの円のサイズに、アーティスト名、レーベル名、時にはBPMまでをレイアウトし、丸く切り取ってラベル面に貼り付ける。すると90年代どこかのマイナーなテクノレーベルから出てたようなフロア対応の12インチシングルが出来上がる。もう歴史を作り出してるような気分だ。

要するに「いつかこんなレコード出せたらいいな」というイメトレなのだが、楽しくて仕方ない。近頃は練習スタジオでドラムを叩くこともご無沙汰になり、安いレコードを見つけると中身を問わず購入しリメイクする日々。例外的に「中身」を気にする場合もあるが、それは音楽のジャンルではなく盤のカラフルさについてだ。青や赤などの色が着いたレコード盤があれば、その色をベースにラベルをデザインし、いかにもそれっぽい特別なレコードが作れるからだ。

とはいえ、音盤がそこにあればとりあえずは聴く。知人から借りたポータブルプレイヤーが部屋に来て、ようやくレコードを聴ける環境ができた。最近購入したのは、GODAIGOのCMソング集、Fantastic Plastic Machineの12インチ、スキャットマン・ジョンの様々なリミックス集を含むシングル、安全地帯『プルシアンブルーの肖像』サントラ、ジャズっぽいボサノバコンピレーションの二枚組み、フラメンコギターのベスト、クラックピアノ曲集二枚組み、レーベル不明の黄色いレコードなど。

ジャンルに一貫性はないけれど、どれも最低一度は再生している。気に入った音源は何度も聴く。嘘のジャケットを作るために購入したレコードのおかげで、結果的に聴く音楽の趣味の幅が広がるなんて、不思議なことだ。

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