スマホとぞうきん39


sumaho&zoukinmini

DJまほうつかいはマンガ家なのに音楽をやっているので、良く言えば越境的、悪く言えば中途半端だなと感じることもある。そもそも肩書きは音楽/マンガだけでなく、アートや装幀画、文筆まで含めると肩書きは膨大。もう整理しても仕方ないと思っているし、さほど気にせず楽しくやっている。

所属レーベルの「HEADZ」はアートや演劇との関わりが深い。音楽やバンドという形式にこだわりすぎない自由なリリースは、レーベルオーナーである佐々木敦の個性だろう。最近盤はタイの映像作家アピチャッポン・ウィーラセタクンのサントラ集と、多方面で活躍する飴屋法水の演劇のDVD。どちらもそれぞれの作家の展覧会や演劇の公演に合わせて、CDやDVDがリリースされている。音楽とアートの良い関係だと思う。逆に考えると、そういうタイミングがないとリリースのめどが立ちにくいわけだから、純粋な音楽家は困難も多いだろうとも思う。

現在少しずつ個展「DJ Mahoutsukai is」の準備を進めているが、この展覧会をきっかけに、不意にアナログ盤リリース現実味が増した。展覧会のタイミングと音楽のリリースを合わせば成立するのではないかということで、リリースの企画が動き出した。

「スマホで音楽を聴く環境におけるアナログレコードの意味」を探ることが、この連載のテーマだった。椎間板ヘルニアの治療により演奏活動を休止、苦肉の策として出てきた「展示」というアイデアがきっかけとなり、アナログ盤のリリースを呼び込んでくれた。

どうやらレコードが本当に出るらしい。