SANABAGUN. COLUMN #4 谷本大河


 

居酒屋でウーロンハイを片手に仲間と酒を飲んでる時にふと他のテーブルが聞こえてくる会話——「いや〜あの人すごいチャラくて〜」「あれは無いわ〜笑」「それ完全に騙されてるでしょ〜」——

そう、現代社会の若者の間において尽きることの無い問題——「チャラい問題」——である。

おっす、SANABAGUN.でSax,Fluteを担当している谷本大河だよ。

話は戻るが基本この「チャラい」という言葉は男女間で使われることが多いのでは無いだろうか??

さっきの会話にもあったような「あの女チャラいっしょ〜」やら「良い人だと思ったのにすごいチャラかったの〜」だとか。

今の日本に生きる若者なら一度は口にしたことがある話題だと思う。

 

実はこの「チャラい問題」は何も男女間だけの話ではなく、ことミュージシャンの間でもよく話題になる問題である。

 

例えば「彼のプレーって上手いんだけどチャラいから好きじゃないんだよねー」とか「あのバンドの音楽ってチャラいよね」とか。
てかもはや日常的に話してる気がする笑

 

ここまでの内容を見てると「チャラい」という言葉は少なくとも良い状況の時に使う言葉ではないというか、disに近い意味合いがあるように思う。

 

しかし自分はこの「チャラい」という言葉はけっして悪い意味ばかりではないということを提案して行きたい!!!!!

 

ズバリ!!!「チャラい」という言葉に内包されている良い意味とは——「わかりやすさ」———だと自分は思っている。

 

正直他のバンドを見ていても、音楽に何のルーツも見られないクソチャラバンドがブイブイ言わせてることなんてざらにある。(怒られそう〜)
「なんでこいつらが売れるんだよ!!!」なんて何回言ったことか笑

 

しかし「音楽」というか「エンターテインメント」というか「音楽でご飯を食べる」というところで重要なのは、「聞き手」がいるからこそ「話し手」が成り立つということだ。

 

つまりここでいうと「聞き手=お客さん」であり「話し手=アーティスト」ということである。

 

ここで重要なのは、「話し手」がどんなにすごい話術を持っていて難しい話もスラスラできて理論に裏付けされたエトセトラを持っていたとしても、難解過ぎる「話」には「聞き手」は着いてこれないのだ。

「聞き手」が着いてこれないということは「話し手」は「話し手」である意味を失う。

だから「話し手」は「話し手」であるための素養を持ちながらも「聞き手」が「わかりやすい」ように「話す」ことこそ心掛けなければならないと思っている。

そう!!「わかりやすく」話さなければならないのだ!!

 

そういう意味では「チャラい」ことは非常に有効な手段であって悪いことばかりではない!!

 

ただし、ここで注意しなければならないのは「チャラい=良い事」とは限らない。

 

なぜなら「わかりやすく」人に伝えることは重要だが「話し手」が本来伝えなければならないのはその話の本質であって”わかりやすい話”ではないのだ。

 

だからこそ「話し手」は「わかりやすく」話しながら話の本質を「聞き手」に伝えなければならないというのが自分の意見だ。

 

逆に言えば話しの本質を伝えるためにはある程度「わかりやすく」話さなければならない…

つまり

 

音楽で言えばお客さんに「音楽の根底」
伝えたければある程度「チャラい」ことは必要なのである。

 

一見「チャラい」音楽でも「音楽の根底」がしっかりあればそれがお客さんに伝わり、少しでもお客さんが音楽を掘り下げてくれる、そうなってくれたら自分は嬉しいし、それがSANABAGUN.の役目だと思っている。

 

男女間の話でもチャラい異性に痛い目にあった人は、異性を見抜く力を養い後々ステキな恋愛をしてるような気がする笑

 

というわけで前置きがとてもとても長くなりましたが笑

 

よりお客さんに音楽を深く掘り下げてもらう前段階としてあえてチャラい音楽を紹介していくのが私のコラム、名付けて

 

「チャラい音楽から入ってもええじゃないかええじゃないか」

です!!

では早速 曲紹介と行きたいところですが、前置きがこの通りの有様なので今回は次回の予習としてこのアルバム挙げておきます。次回このアルバムの解説から。

ではまた!

つづく