スマホとぞうきん24


sumaho&zoukinmini

先日フリージャズピアニストのスガダイローのマネージャーのお祝い会があった。都合が合わず駆けつけることはできなかったが、何かしらお祝いをしたいと考え、プレゼントを送ることにした。ひめとまほう名義で歌い手の姫乃たまのみの出演とし、ライブと一緒にプレゼンターを務めてもらうことにした。

DJまほうつかいのピアノは決して上手ではない。もともとはエレクトロニカやテクノが好きで、その反動でロックやジャズなどの生演奏が大嫌い。ピアノを弾き始めたのは大人になってのことで、ピアノ教室へ娘を送り迎えする中でピアノ教育に触れたことがきっかけ。バッハやモーツァルトを流麗に弾けるわけでもなく、子どもと一緒にバイエル程度を習得し、シンプルな自作曲だけを弾くというスタイル。

縁あってフリージャズバンドblacksheepのジャケットを描く機会があり、その流れで、ジャズの聖地新宿ピットインでピアノ演奏をすることが何度もあった。確かな技術と、それを思い切り崩すことが前提となるフリージャズの場所でDJまほうつかいのような素人がピアノを弾くということはあまりにも無茶だが、それも含めて面白がって「無茶」を実践するのがフリージャズの流儀であり、結果的に舞台度胸を鍛えてもらったと今にしては思う。

そんな現場をいつも作ってくれたマネージャーへ、感謝を込めたプレゼントとしてLPを作成。サックス吹きでもあったが、DJまほうつか同様に正当な演奏技術はなく、音楽家の道を諦めマネージャーとして活動することを少し前から決めたそうで、彼がサックスを演奏している絵を描き「PLAYS JAZZ STANDARDS」と題してデザイン。架空のスタンダードナンバーを収録曲としてジャケット裏面に配置。盤にはラベルも貼り付けた。

パーティー会場ではプレゼントはとても喜ばれ、LPはその場でターンテーブルに乗せられ再生された。スピーカーから鳴った音は「スタンダードジャズ」とは無縁なテクノで、一同ずっこけて大笑いだったそう。自宅にあったLPを再利用しジャケットつまり「外側」だけを作ったのだから仕方ない。中身までは作れない。

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