スマホとぞうきん25


sumaho&zoukinmini

職業がマンガ家である以上、どうしても「音楽」は副業となってしまう。しかしジャケット制作やグッズ制作は別。実際に仕事として音楽のアートワークを手がけることも多くあるし、グッズの制作のための絵を依頼されることもある。つまり「本業」。そんなわけで「DJまほうつかい」の音楽活動は、「音楽はアマチュア、しかしアートワークはプロフェッショナル」という反転した状況にある。

音もジャケットも自分で作るという姿勢はパンクで言う「DO IT YOURSELF」そのもの。好みをテクノで例えると、デザイナーズ・リパブリックが多くのデザインを担当する「WARP」の整然としたアートワークより、音楽家自身がかなり雑にデザインしている「Rephlex」の混沌と雑味に魅力を感じてしまう。だから[DJMR]のリリースは、クライアントありきの仕事のときよりかなり「雑」に仕上げている。折り目も字詰めもテキトー。仕上げすぎないことを心がけている。

個人レーベル[DJMR]がぎりぎり黒字らしく見えるのは、実はデザインやデータ制作を一人で担当し予算を圧縮しているからだ。インディーズだからこそ商業に負けないようにがんばる、というよりは、アマチュアリズムや初期衝動を楽しんでいる。

プロ意識というものは時に邪魔なもの。表現することに資格や基準はないのだから好きにやればいいと思うし、実際好きにやっている。