レコード制作は着々と進んでいる。回転数が決定して選曲も終わり、マスタリングも完了。あとは国内でレコードプレスを一手に引き受ける東洋化成のプレス作業を待つだけ。両面とも33rpmで作るから、収録時間は表裏足して12分になる。DJまほうつかいは短いピアノ曲が多いため、片面に3曲ずつ収録することにした。曲リストは以下。
Girl Side
1.Last Summer 1:36
2.I Know What You Did Last Summer 0:53
3.windandwindows(My Girl Mix) 2:49
Boy Side
1.My Boy 2:11
2.Clematis 1:58
3.All Those moments will be lost in time – detune. version – (Tiny Boy Mix) 2:06
A面にはリリース済みのピアノ曲2曲と、実の娘の声をボーカロイド的に加工しピアノ曲にかぶせたREMIX曲。旧タイトルは「VOLCALOID IS MY DAUGHTER MIX」だったが、ボーカロイドの商標規約を考慮して「My Girl Mix」とした。
B面1曲目は「ぼうや」を意味し、実の息子をイメージして作った曲。ピアノソロのインストだけど、「ゆうりくん きた きた」という童謡のような歌詞が、イメージとして存在する曲。2曲目はクレマチスの丘ヴァンジ彫刻庭園美術館で行ったコンサートのために描き下ろした新曲。3曲目はdetune.によるピアノ曲のポップミュージックとしての再解釈のような曲。レコードの収録時間に合わせて少しだけ短くなったので、「Tiny Boy Mix」と名付けられた。
レコードのタイトルは決まっていなかったが、こうして「女の子/男の子」というテーマが見えてきたし、シングルと言うよりも曲を目一杯収めたEP的な選曲になったので、『Girl/Boy EP』に決定した。A面がGirl Sideで、B面がBoy Side。敬愛するAphex Twinと同タイトルになった。
https://www.youtube.com/watch?v=8ShEzjO67Bw
ジャケットのイメージもできていて、個展のために制作した「ぼうや」の立体の写真を使う。大人になってピアノを弾き始めたのは小学生だった頃の娘をピアノ教室に送り迎えすることがきっかけだったし、絵のモチーフとなっている「ぼうや」は、まだ2、3歳だった頃の息子を描いたキャラクターだ。そんなわけで、いつの間にかレコードは実の娘と息子に捧げる内容になった。
この連載を始めて約2年。気がつくと一枚のレコードを作るまで、ひとりの子供がそこそこ成長するくらいの時間が経った。