スマホとぞうきん33


sumaho&zoukinmini

大阪に遠征して電気グルーヴのツアー公演を観てきた。ライブに備えて移動中スマホでインタビュー記事を読んでいたらなんと新しいアルバムは96パーセントくらい「GarageBand」で作ったのだそう。Mac Bookに繋いだマイクでボーカル録音もしているとのこと。信じられなかった。「GarageBand」はMacに無料で装備された初歩的で簡易的な音楽制作ソフトウェアだったはず・・・。

DJまほうつかいのプロジェクト「Metaltronica」は、「Metal+Electronica」を意味し、エレクトロニカの音色でヘヴィメタルを奏でる試み。ヘヴィメタルなのに軽く、ツーバスを踏んでもゆるふわ感が漂う。猛烈にブラストビートを刻んでも、弱々しい。JERRY FISHのメンバーが作ったビンテージ・シンセサイザーによるユーモラスなロック・カバー集『The Moog Cookbook』(選曲はWEEZERやNIRVANA、LENNY KRAVITZ他)を愛聴していたが、そのヘヴィメタル版というイメージ。2011年には『Metaltronica』というタイトルでアルバムもリリースした。またHEADZからリリースした二枚のEPにはピアノ曲のセルフリミックスとして、打ち込みメタル「Metaltronica」曲を収録している。

この「Metaltronica」楽曲制作に当たり、ずっと使用してきたのは100パーセント「GarageBand」。下手にいじらずデフォルトのプリセット音源をそのまま使用。ミックスの仕方もよくわからず、ローもハイも潰れたような平坦な仕上がり。どうしても、最新のダンスミュージックにはならない。

最近新しいMac Book Proを購入したので、改めて「GarageBand」をダウンロードして使ってみた。最新バージョンは何もかもが一新されていて、使い慣れた「GarageBand」とは別物だった。調べてみると、「Metaltronica」のために使っていた「GarageBand」は2007年のバージョン。もう10年前。それと比べると最新バージョンの「GarageBand」は音源も機能も多彩で、軽く触れてみるとテクノやEDMの制作にかなり適している印象。ほぼこれだけで作ったという電気グルーヴの新作を「なるほど実現可能かもしれない」と信じられるほどに高性能で贅沢になっていた。

10年も昔の「GarageBand」は、バージョンアップから取り残されたビンテージのシンセサイザーのような存在になっていた。